占星術には惑星の品位と呼ばれる仕組みがあって、金星は、うお座で「高揚」するとされる。その星らしさが勢いよく発揮される場所。

金星は、ヴィーナス=アフロディーテの星。そしてうお座も、アフロディーテのお話を由来とする。

怪物の襲来に遭った際、魚と化してナイル川に逃げ込んだアフロディーテと息子のエロスが、離れ離れにならないよう互いをリボンで結んだのが双魚の姿。

ふたりは母と息子であって恋人同士ではないのだけれど、恋ではなく愛を描くにあたり、母と息子という関係性を敢えて採用するようなところがあったのではないだろうか、そんなふうに想ったりもする。

魚となって水の世界に溶けても、離れ離れにならないように。

「ひとつ」と「ふたり」を行き来する場面が、いつもは静かに全体に溶けている愛を、そっと取り出して教えるのかもしれない。