海に浮かぶ夢を見ていた。立ったままゆらゆらと浮かんでいるとイルカの群れがやってきて、そのうちの一頭がわたしの方へ近づいてきた。一人と一頭はやさしいハグをして、程なくしてイルカは海の中へ消えていった。一瞬の出来事。

そういえば、イルカに似ているひとが、この世界の私の周りにいる。

あの時のイルカが「この人に人間として出会ってみたら、どんな感じがするのだろう?」と想って、そうして現れたのかもしれない。

そんな想像をしてみる。

別世界は、過去のようであっても過去ではないし、未来のようであっても未来ではない。きっと同じ瞬間に並行して存在している。

誰かに対してふと抱く想い。名前を付けるほどに濃厚でなくても、ふと寄せるその想いが、並行する無数の物語を瞬く間に生み出しているのだとしたら。

そんな想像をしてみる。