景色を呼び覚ます音がある。

いつかそこにいた/いつかそこにいる場所。やさしくてあたたかな草原。鍵が必ずその扉を開くように、その音もまた必ずその景色への扉を開く。

この音を聴いたら思い出すように。そう設定されていたのかもしれない。

少しでも違っていたら、きっと記憶は開かない。誰にでも再現できてしまったら鍵が鍵であることの意味がなくなってしまう。そして、ちゃんと再現できるとわかっていたから、その鍵を掛けたのだろう。

鍵穴があるのなら、鍵は必ずある。その扉は、その鍵でしか開かない。