その暗がりに怯えるのかもしれない。

けれど、なぜかなつかしい香りがする。だから、夜の獣道を歩き続ける。


日はのぼり、あたりは明るくなって、すてきな木を見つけるのかもしれない。かわいらしい仔鹿に出会うのかもしれない。


そのまま歩き続けて、せせらぎに出会うのかもしれない。その水に触れると、やっぱりなつかしい感じがする。


けれど、突然の雷雨に襲われて、「なんでこんなところにいるんだ!」と自分を罵るのかもしれない。


やがて雨が上がって、空におおきな虹が架かって、「ああ、ここにいてよかった」と、笑みが溢れるのかもしれない。



歩いて、見つけて

泣いて、笑って


この場所のことを知ってゆく。



歩き尽くしたころ、見つけ尽くしたころ

「そうか、この森にいたのか」「この森が大好きだったのだなあ」と思い出している。



その暗闇も、その光も、その嵐も、その虹も、すべてすべて

この森が大好きだったのだ、はじめから。




⿻ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈




映画を観る。




主人公の、登場人物たちのまなざしを渡され、映画の時間、そのまなざしから物語を見つめる。

見つめながら、自分の内が照らされてゆく。



ずっと手に取れずにいたこと。

奥の方にしまったきり、すっかり忘れていたこと。

ずっとわからずにいたけれど、本当はとてもすてきだったこと。

反対側から見て、はじめてわかること。




すみずみの、あちらこちらは照らされて、まあるくまあるく、ひろがって、受けとられてゆく。



まあるく、まあるく、ひろがって

愛へ、かえってゆく。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ⿻




はじめから、すべてあって

けれど、まだ、見えていない



だから、順番に見つけてゆく

ひとつひとつ見つけるために、時間はある



見つけて、受けとって、まあるく束ねて



そうして


はじめから、すべてあったのだと

はじまりへ、かえる




┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ⿻


ほしみやじくうの歩き方



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